求人の募集要項は、企業が求める人材像や条件を示し、求職者に対して仕事内容や条件を伝える重要な役割を果たします。しかし、パート・アルバイトの求人における募集要項の書き方はしばしば軽視され、結果的にミスマッチや採用後のトラブルを招くことがあります。
本記事では、パート・アルバイトの求人における募集要項の重要性と具体的な書き方について解説します。さらに、2024年4月からの労働条件明示事項の追加ポイントもご紹介しますので、ぜひ、ご参考にしてください。
目次
募集要項とは
募集要項とは、企業が求職者に対して求人内容を示すために作成する文書のことです。求職者が募集要項を確認することで、仕事内容や労働条件について具体的に理解し、自分に適した仕事かどうか判断することができます。
職業安定法では、募集要項に記載すべき項目を定めています。以下の表では、募集要項に記載すべき項目と、その内容をまとめました。
これらの項目を求人に詳細かつ正確に記載することで、効果的な採用活動を進めることができます。
項目 | 内容 |
---|---|
業務内容 | 具体的な仕事内容や役割 |
契約期間 | 期間の定めがある場合はその詳細、定めがない場合はその旨 |
試用期間 | 試用期間の有無およびその期間 |
就業場所 | 勤務するオフィスや現場の所在地 |
就業時間 | 労働時間および休憩の時間帯 |
休日 | 定休日や祝日、シフト制の場合の休日 |
時間外労働の有無・時間 | 残業の有無とその上限時間 |
給与・賃金 | 賃金形態、基本給や手当、賞与など |
加入保険 | 社会保険の加入内容(雇用保険、労災保険、健康保険、厚生年金) |
募集者の名称 | 募集する企業や組織の名称 |
パート・アルバイトの求人における募集要項の重要性
募集要項は、求職者に対して仕事内容や労働条件を正確に伝える情報源ですが、パート・アルバイトの求人においても重要な役割を担います。
ここでは、パート・アルバイトの求人における募集要項の重要性について詳しくみていきましょう。
求職者に仕事の魅力を伝えるため
多くの場合、求職者は企業の求人に書かれた募集要項を確認します。求職者にとって募集要項は、その仕事に魅力を感じるかどうか大きな判断材料となるでしょう。
具体的な業務内容や給与条件、就業環境の説明を通じて、企業の強みや魅力を伝えることができます。さらに企業独自の福利厚生や働きやすい制度、昇進のチャンスなど、求職者が「ここで働きたい」と感じられる要素を積極的に盛り込むことが大切です。
たとえば、「未経験歓迎」という表現を使うだけでなく、「実際に未経験者が◯名活躍しています」などの事実を記載することで、求職者の背中を押す効果が期待できます。
このように、詳細な募集要項は、求職者が企業に応募する決め手となるのです。
応募時のミスマッチを防ぐため
募集要項は、求職者が自分に適した仕事かどうかを判断するための基準でもあります。業務内容や給与、労働条件などが具体的に記載されていないと、応募時にミスマッチが生じやすくなります。
勤務時間や残業の有無、給与の幅が曖昧な場合は、求職者の期待と実際の条件とのギャップが生まれ、採用後の早期離職につながりかねません。
企業側としても、求める人物像や業務の向き・不向きを正確に伝えることで、応募者の絞り込みができ、最適な人材を採用できる可能性が高まります。
採用後のトラブルを防ぐため
採用後のトラブルは、募集要項に明確な記載がなかったことが原因となる場合が少なくありません。たとえば、試用期間や契約期間の有無、就業場所やシフトの詳細が不明瞭なまま採用すると、求職者との認識のズレが生じやすくなります。
具体的には、「転勤があるなんて聞いていない。知っていたら応募しなかった」といったように、入社後のトラブルも考えられます。
また、残業の有無や給与体系が実態と異なると、信頼性が損なわれるだけでなく、法的な問題に発展するリスクもあります。
そのため、募集要項に記載する項目は法律で定められた内容を正確に明示し、事前にトラブルを防ぐための対策を講じましょう。
募集要項に記載すべき項目と書き方
募集要項は、企業が求職者に対して提供する労働条件や仕事の内容を明確に示すものであり、職業安定法により記載すべき項目が定められています。
これにより、求職者が企業や仕事の魅力を理解し、自分に適した職場かどうかを判断するための情報を得ることができます。
ここでは、職業安定法で明示が必要とされている項目ごとに、効果的な書き方をご紹介します。
業務内容
業務内容は求職者にとって最も重要な情報のひとつであり、具体的に記載することが求められます。仕事内容が不明確の場合、求職者は働くイメージが湧かず、応募をためらう原因となるため注意しましょう。
■書き方のポイント
- 明確な職種・役割:「一般事務」「販売スタッフ」「製造オペレーター」など、具体的な職種を記載する
- 業務内容:具体的な作業内容や担当する業務範囲を詳細に記載する
- 責任範囲:どこまで責任を持つべきか、他部署との連携があるかなどを含めて記載する
■書き方の例
【業務内容】
一般事務スタッフ
・電話・メール対応、来客対応
・書類作成、データ入力、ファイリング
・社内外のスケジュール調整
契約期間
パートやアルバイトの場合、契約期間の有無や更新の条件を記載します。契約期間を曖昧にすると、トラブルの原因となるため、明確に記載しましょう。
■書き方のポイント
- 期間の定めの有無:「期間の定めなし」または「期間の定めあり」
- 契約期間:「3か月(更新あり)」など、具体的な期間を記載する
- 更新条件:「業務成績により更新あり」など、更新の基準や条件も明記する
■書き方の例
【契約期間】
・期間の定めなし
または
・期間の定めあり(6か月)
・更新条件:業務成績により更新あり
試用期間
試用期間とは、企業側が採用した従業員の適性や能力を見極めるための期間です。試用期間を設定する場合は、募集要項に期間と条件を記載することが定められています。とくに賃金や待遇など、本採用との条件が異なる場合、あらかじめ求職者に伝えなければトラブルの原因となります。
■書き方のポイント
- 試用期間の有無:「試用期間あり」「試用期間なし」など、明確に記載する
- 試用期間の長さ:「1か月」「3か月」など具体的な期間を記載する
- 試用期間中の条件:試用期間中の労働条件が本採用後と異なる場合、詳細に記載する
■書き方の例
【試用期間】
・試用期間あり(3か月)
・労働条件:本採用後と同じ
または
・労働条件:試用期間中は月給20万円
就業場所
就業場所は、求職者が実際に働く場所です。勤務地が複数存在する場合は、勤務する可能性がある場所をすべて明記する必要があります。また、転勤の有無や特定期間の勤務場所が変わる可能性がある場合は、その旨を記載しましょう。
■書き方のポイント
- 具体的な場所:「東京都新宿区」「大阪市中央区」など、勤務地を詳細に記載する
- 複数の勤務地:複数の勤務地がある場合は選択肢を提示する
- 転勤の有無:転勤がある場合、その可能性や条件も記載する
■書き方の例
【就業場所】
・東京都新宿区1-1-1 新宿ビル
または
・大阪市中央区2-2-2 大阪オフィス
・転勤なし
就業時間・休憩時間
1日の就業時間や休憩時間を記載します。シフト制の場合や休憩時間が固定されていない場合、時期によって勤務時間が異なる場合は、その旨も記載しましょう。
■書き方のポイント
- 就業時間:具体的な勤務時間を記載する(9:30〜18:30 実働8時間、休憩1時間)
- シフト制:シフト制であれば、その旨を記載し、具体的な時間例を示す
- 休憩時間:休憩時間の長さや取得のタイミングを明記する
■書き方の例
【就業時間】
・9:00~18:00(実働8時間、休憩1時間)
または
・シフト制(早番:9:00~18:00、遅番:13:00~22:00)
休日
休日は、求職者のワークライフバランスに直結する項目です。とくに、パート・アルバイトの場合は、学校や育児、介護との両立をしながら働く方も多いため、休日の取り方は応募の判断材料となります。週休二日制やシフト制の場合も、具体的なスケジュール例を示すとわかりやすくなります。
■書き方のポイント
- 休日の種類:週休二日制、シフト制、有給休暇など
- 具体的な日数: 「週2日休み」や「月8日休み」など、具体的な日数を記載する
- その他:年末年始、夏季休暇、慶弔休暇などの特別休暇も記載する
■書き方の例
【休日】
・週休2日制(土・日)、祝日
・年末年始、夏季、GW、有給休暇、慶弔休暇
または
・シフト制(週3日〜勤務OK)
時間外労働の有無・時間
パート・アルバイトでも、繁忙期などで業務量が多く、残業が発生する場合は、残業の有無や時間を記載します。時間外労働の有無に関して記載がなかったり、「残業なし」と書かれているにもかかわらず、実際に残業がある場合は、トラブルに直結します。
求職者の応募動機や期待に大きく影響するため、正直かつ明確に記載することが重要です。固定残業代制や裁量労働制を採用している場合は、その詳細も記載しましょう。
■書き方のポイント
- 時間外労働の有無:「時間外労働あり」「時間外労働なし」など
- 上限時間:月平均の残業時間や上限時間を具体的に記載する
- 固定残業代制:固定残業代制の場合、その時間数と金額を記載する
- 裁量労働制:裁量労働制の場合、その旨とみなし労働時間を記載する
■書き方の例
【時間外労働】
・時間外労働あり(月平均20時間)
または
・時間外労働なし
給与・賃金
給与や賃金は求職者が最も重視する項目のひとつであり、具体的かつ正確に記載する必要があります。基本給以外の手当、賞与、昇給制度など、賃金に関する情報は詳細に記載しましょう。
■書き方のポイント
- 基本給:時給や日給など、基本給の金額を明示する
- 手当:交通費や残業手当、資格手当など、各種手当の内容と金額を記載する
- 昇給:昇給の有無とその条件を記載する
- 賞与:賞与の有無、支給時期、金額の目安を記載する
■書き方の例
【給与・賃金】
・時給1,200円以上(試用期間中:時給1,100円)
・交通費全額支給
・残業手当、資格手当、夜勤手当あり
・賞与年2回(6月・12月)
・昇給年1回(4月、業績による)
なお、最低賃金や賞与についてはこちらのコラムでご紹介していますので、ご参考にしてください。
【2024年10月改定】最低賃金はいくらになる? 企業がとるべき対策とは? 【例文あり】求人の賞与や昇給の正しい書き方とは? 魅力的な伝え方を詳しく解説加入保険
社会保険の加入は、企業と求職者の信頼関係を築くうえで重要なポイントです。アルバイトやパートであっても加入が義務づけられるため、健康保険や雇用保険、厚生年金など、企業が提供する保険の内容を明確に記載しましょう。また、扶養控除内で勤務時間の調整が可能である場合は、その旨も記載します。
■書き方のポイント
- 社会保険:健康保険、厚生年金、雇用保険、労災保険の加入状況を記載する
- 加入条件:週の勤務時間や雇用形態による加入条件がある場合はその旨を記載する
■書き方の例
【加入保険】
・雇用保険、労災保険、健康保険、厚生年金
・週20時間以上の勤務で加入
また、パート・アルバイトの社会保険適用拡大についてはこちらのコラムで解説しています。あわせてご覧ください。
2024年10月改定|パート・アルバイトの社会保険適用拡大で求人の書き方が変わる?!募集者の名称
募集者の名称は企業の信頼性を示す重要な情報です。応募者に対して企業の概要や代表者の名前を明示することで、信頼感を与え、応募の意欲を高めることができます。
■書き方のポイント
- 企業名:会社の正式名称を記載する
- 代表者名:代表者の氏名を記載する
- 設立年:企業の設立年を記載する
- 従業員数:全社の従業員数を記載する
- 事業内容:企業が行っている事業内容を簡潔に記載する
■書き方の例
【募集者の名称】
– 〇〇株式会社
– 代表者:募集 太郎
– 設立:2015年4月
– 従業員数:30名
– 事業内容:〇〇の製造・販売
【注意】2024年4月より労働条件の明示事項が追加
2024年(令和6年)4月1日より職業安定法が改正され、募集時に明示すべき労働条件が追加されました。今回追加された項目は次の3つです。
- 従事すべき業務の変更の範囲
- 就業場所の変更の範囲
- 有期労働契約を更新する場合の基準
それぞれの詳細と具体的な記載例をまとめます。
引用:厚生労働省|令和6年4月から労働条件明示のルールが改正されます
参考:厚生労働省|募集時などに明示すべき労働条件が追加されます!
従事すべき業務の変更の範囲
従事すべき業務の変更の範囲については、雇入れ直後の業務内容にとどまらず、労働契約の期間中における将来の配置転換など、業務内容の変更の可能性を明示することが求められます。具体的には、職務転換や異動、出向などに伴う業務変更の範囲を記載する必要があります。
【業務内容】
法人営業の場合
- 雇入れ直後:法人営業
- 変更の範囲:製造業務を除く当社業務全般
経理の場合
- 雇入れ直後:経理
- 変更の範囲:法務の業務
就業場所の変更の範囲
就業場所の変更の範囲については、雇入れ直後の就業場所だけでなく、将来の異動や転勤などに伴う就業場所の変更範囲を明示する必要があります。具体的には、転勤や出向の可能性や勤務地の範囲を記載します。
【就業場所】
大阪支社の募集
- 雇入れ直後:大阪支社
- 変更の範囲:本社および全国の支社、営業所
渋谷営業所の募集
- 雇入れ直後:渋谷営業所
- 変更の範囲:都内23区内の営業所
有期労働契約を更新する場合の基準
有期労働契約を更新する場合の基準については、契約期間の満了後に契約を更新する際の基準や上限回数を具体的に明示することが求められます。具体的には、契約の更新有無、更新の条件や基準、更新回数の上限などを記載します。
【契約期間】
- 期間の定めあり(2024年4月1日~2025年3月31日)
【契約の更新基準】
- 更新あり(契約期間満了時の業務量、勤務成績により判断)
- 通算契約期間は4年を上限とする
または - 更新あり(自動的に更新する)
- 更新回数は3回を上限とする
▼労働条件通内書の作り方については、こちらのコラムでご紹介していますので、ぜひご参考にしてください
【2024年4月改正】労働条件通知書の作り方とは? 変更点を記入例つきで解説募集要項を魅力的に書くコツ
募集要項は、企業と求職者をつなぐ重要な情報であり、いかに魅力的に作成するかが採用活動の成功に直結します。
ここでは、他社との差別化を図りながら効果的に求職者の目に留まる募集要項を作成するためのコツをご紹介します。
他社と比較した自社の強みをアピールする
多くの企業が求人活動を行うなかで、自社の強みを求職者に伝えることが重要です。他社との差別化を図り、企業の魅力をアピールすることで求職者の興味を惹きつけるでしょう。
とくに、他社にはない独自の制度や福利厚生、働き方改革の取り組みなどを明確に伝えると効果的です。
【自社の強み】
- 独自の福利厚生:新しい福利厚生制度として、〇〇手当を導入
- 働きやすさ:リモートワーク制度で場所に縛られず働ける
- キャリア支援:社内資格取得支援制度でキャリアアップが可能
メリットよりもベネフィットを意識
募集要項を書く際には、企業側のメリットだけでなく、求職者にとってのベネフィット(便益)を意識することが重要です。
単に利点や特長を明示するだけでなく、「それによってどのような恩恵が得られるのか」を具体的に伝えましょう。
【ベネフィットの伝え方】
- 残業が少ない:「残業は月平均10時間以下なので、趣味や勉強などプライベートの時間も大切にできます」
- 社内研修:「研修で基礎から学べるので、未経験でも短期間でプロになれます」
- キャリアパス: 「成果を出せば半年で昇進できるので、年収アップも期待できます」
具体的な数字を用いて企業の強みを伝える
具体的な数字を使うことで、求職者に企業の強みや魅力が伝わりやすくなります。抽象的な表現よりも、数字を用いた方が求職者の印象に残りやすく、信頼性を高める効果も期待できます。
【具体的な数字の使い方】
- 顧客満足度: 「お客様の満足度は前年比10%アップ」
- 従業員定着率: 「従業員の定着率は90%以上」
- 平均年収:「社員の平均年収は500万円」
- リピート率:「リピート率は80%以上」
あえてネガティブなことも正直に伝える
募集要項を通じて企業の魅力を伝えることは重要ですが、求職者との信頼関係を築くために、あえてネガティブな側面も正直に伝えることも効果的です。
仕事のハードさや必要なスキルを明確に伝えることで、応募者が事前に仕事内容を理解し、入社後のミスマッチを防ぐことができます。
【ネガティブな情報の伝え方】
- ハードな面:「普段は残業はほぼありませんが、繁忙期には月20時間以上の残業が発生することがあります」
- 必要なスキル:「未経験でもOKですが、早く成長するためには自学自習が必要です」
- チームワーク:「個人ノルマはありませんが、チーム全員で目標を達成するため、協調性が求められます」
作成した求人は従業員にも見てもらう
求人を作成したら、既存の従業員に見てもらい、現場目線でのフィードバックをもらうことが重要です。現場で働く従業員の視点から改善点や伝えるべきポイントを抽出することで、より現実的で信頼性の高い募集要項に仕上がります。
読みやすさを意識する
パート・アルバイトで仕事を探している方の多くはスマートフォンで求人をチェックしています。そのため、スマートフォンの見え方を意識して作成することが重要です。☆や♪などの飾り文字を使ったり、箇条書き・改行を活用したりして、スクロール画面でストレスなく読めるように工夫しましょう。
応募のハードルを下げる
より多くの応募者を集めるためには、応募のハードルを下げることが重要です。履歴書なしや子連れ面接OK、出張面接、オンライン面接など、応募しやすい条件を提示することで、求職者の負担を減らし、応募意欲を高めることができます。
【応募のハードルを下げる工夫】
- 履歴書なし:「履歴書不要! 気軽に応募OK」
- 子連れ面接OK:「子連れ面接OK! お子さんと一緒にどうぞ」
- 出張面接:「近隣のカフェで出張面接実施中です」
- オンライン面接:「ZoomやLINEでのオンライン面接も可能です」
- 職場見学:「面接前に職場見学できます」
- 面接交通費:「面接交通費は当社で負担します!」
- ランチ会:「面接後のランチ会あり! 従業員と話しませんか?」
- 体験入社あり:「体験入社で仕事内容を確認できます」
募集要項を書く際の注意点
募集要項は企業と求職者の信頼関係を築くための重要な情報源です。しかし、不適切な内容を記載してしまうと、応募が集まらないばかりか企業としての信頼を損なう原因となります。ここでは、募集要項を書く際に注意すべきポイントを具体的にご紹介します。
誇張表現や嘘は控える
募集要項に誇張表現や嘘を含めることは、求職者の期待を裏切り、企業と求職者との信頼関係を損なうだけでなく、法的なトラブルにもつながりかねません。
給与や労働条件を実際よりも、よくみせるような表現を使うと、応募者の期待と実際の条件とのギャップが生まれ、早期離職の原因にもなります。さらに、事実と異なる表現が含まれていた場合、入社後トラブルや、最悪の場合は求職者からの訴訟や、労働基準監督署から法令違反を指摘されるリスクも考えられます。
募集要項には、給与や労働時間、休日、待遇などの条件を正確に記載し、誇張や虚偽の表現は避けましょう。「高収入」「昇給あり」といった表現を使う場合、具体的な金額や条件を明示することで、求職者にとって信頼性の高い情報を提供できます。
年齢・性別・国籍を限定しない
募集要項には、年齢や性別、国籍などで応募者を限定する表現を含めることは、差別的な行為とみなされる可能性があります。これは、男女雇用機会均等法や職業安定法に違反するだけでなく、多様性を重視する現代の採用トレンドにも反します。
たとえば、「若い女性限定」や「外国人不可」といったように特定の求職者を排除する表現はNGです。年齢・性別・国籍を問わず、求職者が仕事内容に必要なスキルや資格を持っているかどうかを重視し、公平な選考基準を示すことで、多様な人材を集めることが可能です。
求人での年齢制限がNGな理由や例外について、こちらのコラムで解説していますので、あわせてご参考にしてください。
求人募集の年齢制限は原則NG! ダメな理由と例外、効果的な書き方を解説他社の募集要項を模倣しない
他社の募集要項をそのまま模倣することは、自社の独自性や魅力を伝えきれないだけでなく、求職者に混乱を与える可能性があります。求職者が入社後に「イメージと違う」と感じ、早期離職の原因になるでしょう。
また、他社の求人に記載されているキャッチコピーや言い回しをそのままコピーすると、著作権侵害にあたります。自社の特徴や強みを正確に伝えるために、オリジナルの募集要項を作成することが重要です。
アットホームな雰囲気を伝えたいのであれば、「社員旅行や定期的なランチ会で社員同士の交流を深めています」など、具体的な取り組みや文化を明記し、自社ならではの魅力をアピールしましょう。
パート・アルバイトの求人に強い採用管理システム(ATS)
パート・アルバイトの求人を効率的かつ効果的に行うためには、採用管理システム(ATS)の活用が不可欠です。採用管理システム(ATS)は応募者の管理、求人ページの作成、応募者とのコミュニケーションなど、多岐にわたる採用業務を一元管理することで、採用活動をスムーズに進めることができます。
ここでは、パート・アルバイト採用に特化したおすすめの採用管理システム(ATS)をご紹介します。
アットカンパニー
アットカンパニーは、求人広告業45年の豊富な経験とノウハウを持つ「求人のプロ」と連携して採用活動を行える採用管理システム(ATS)です。
採用ホームページの作成や求人配信、応募選考管理、WEB面接機能など、多くの機能を備えているだけでなく、専任スタッフが担当企業の、募集要項の作成から運用まで採用活動を全面的にサポートしてくれます。
とくに、Indeed認定パートナーとして、外部求人掲載の効果を最大限に引き出すサポートが充実しており、Indeed広告強化オプション(Indeed PLUSに対応)を利用することで、パート・アルバイトの募集に強いタウンワークなど、より多くの求人サイトにアプローチすることができます。
■特徴
- 求人のプロに丸投げ:採用ページや求人ページの作成・更新をプロに一任できる
- Indeed認定パートナーの実績:Indeedからの応募獲得に強く、最適な求人掲載をサポート
- Indeed PLUSに対応:Indeed広告強化オプションを利用することで、より多くの求人にアプローチが可能
- 専任のサポート体制:面談、電話、メールなどによる定期的なフォローで安心
連携サービス | Indeed、Googleしごと検索、求人ボックス、スタンバイ、ディースターNET など |
料金 | 要問合せ |
運営会社 | 株式会社大新社 |
アットカンパニーの概要につきましては、下記ボタンより資料をご覧ください。
まとめ:パート・アルバイトの求人では、募集要項を詳細に記載することが大事
求人における募集要項は、企業と求職者をつなぐ重要な要素です。とくに、パート・アルバイトの求人においては、募集要項を詳細に記載することで、ミスマッチやトラブルを防ぐことができます。
募集要項を書く際は、単に他社の求人を参考にするのではなく、自社の強みや特徴を整理したうえで、具体的な数字を使ったりベネフィットを伝えたりすることで、魅力が伝わります。
また、よいことばかりを書くのではなく、あえてネガティブな側面も正直に伝えることで、求職者の信頼を得ることにつながります。もし、「自社の強みがわからない」「魅力的な書き方がわからない」といったように、募集要項の作成にお悩みの場合は、採用管理システム(ATS)を活用して求人のプロに依頼するのもひとつの方法です。
今回ご紹介した、募集要項の書き方・魅力的に書くコツを参考に、自社の魅力を伝えつつ、より具体性のある条件や特長の明示を心がけましょう。