「求人を掲載しても未経験者の応募しか集まらない」「即戦力となる経験者を集めるコツを知りたい」このようなお悩みを抱えていませんか?
経験豊富な求職者は、仕事内容や待遇などを慎重に比較し、自分に最適な職場を選びます。そのため、魅力的な求人を作成し、ターゲットに刺さる情報を提供することが必要です。
本コラムでは、経験者採用の成功につながる求人の書き方について解説します。優秀な人材を惹きつけるヒントを得ていただけたら幸いです。
求人を書く際に経験者と未経験者で訴求を変えるべき理由
経験者と未経験者では、仕事選びの基準や関心のある情報が異なります。ひとつの求人に両者の情報を詰め込むと、どちらの層にも響きにくくなってしまうでしょう。
まず、この章では、経験者向けと未経験者向けの求人を分けるべき具体的な理由を解説します。
求人の興味・関心が異なる
経験者か未経験者かによって興味を持つポイントが異なるため、経験者向けの求人を書く際は、未経験者向けと訴求を変えましょう。
たとえば、経験者は自分のスキルを活かせる環境やキャリアアップの機会を重視しています。一方、未経験者は、研修制度やサポート体制に関心を持つため、仕事内容よりも成長できる環境を知りたがります。
より幅広く応募を集めようとして、ひとつの求人で対象者を広げようとすると、情報がぼやけてしまい、誰にも響かなくなってしまうでしょう。情報は広く浅く伝えるのではなく、狭く深く訴求することが重要です。このように、ターゲットごとに内容を最適化することで、より関心を惹くことができます。
目に留まりやすくなり露出が増える
ひとつの求人よりも、経験者向け・未経験者向けと分けて、ふたつの求人を掲載したほうが、より多くの求職者にアプローチすることが可能です。
たとえば、ひとつの求人に対して平均3件の応募があるとすると、ふたつの求人を掲載すれば単純計算で6件の応募が集まる可能性があります。
また、「未経験歓迎」「経験者優遇」などのキーワードで検索する求職者も多いため、それぞれに適した求人を用意することで、よりターゲットにあった求職者の目に留まりやすくなるでしょう。
簡潔でわかりやすい求人になる
ひとつの求人に経験者向けと未経験者向けの情報を両方記載すると、文章量が増え、読みにくくなる可能性があります。
とくに経験者にとって、未経験者向けの研修についての情報や、基本的な仕事内容は不要な情報です。そのため、不要な内容を削ぎ落とし、求職者にとって必要な情報を厚くすることで、簡潔でわかりやすい求人を作成できます。
長すぎる求人は、途中で読まれなくなることもあるため、ターゲットごとに情報を整理することが重要です。
分析がしやすくなる
求人を経験者向けと未経験者向けに分けることで、掲載後の分析がしやすくなります。たとえば、Indeedのアナリティクス機能を活用すれば、求人ごとに閲覧数・クリック数・応募数を確認できます。
数値をもとに仮説を立てることで、具体的な改善策を導きやすくなるでしょう。
事実:閲覧数は多いがクリック率が低い
↓
仮説:タイトルの魅力が薄い、募集賃金が見劣りする
↓
改善:タイトルを工夫する、賃金を他社よりも高くする
事実:クリックされるが応募に至らない
↓
仮説:会社の雰囲気や仕事内容の魅力が伝わっていない
↓
改善:求人の文章を見直し、より具体的な内容や自社の強みを明確にする
このように、求人掲載後のデータを測定しながら改善を重ねることで、より効果的な求人を作成し、採用成功率を高めることが可能です。
経験者採用の求人で押さえるべきポイント
求職者は、自身のスキルを活かせる職場であるかを慎重に見極めているため、求人情報には業務内容やポジション、待遇面などを詳細に記載することが求められます。
とくに経験者を採用する際は、「即戦力として活躍できる環境かどうか」を具体的に示すことが重要です。本章では、経験者向けの求人を書く際に押さえておくべきポイントを5つご紹介します。
専門性を活かせる業務内容
経験者向けの求人では、「どんな仕事をするのか」ではなく、「自社で働く魅力はなにか」を訴求することが、経験者の応募を促すポイントです。
未経験者向けのように基本的な業務内容や仕事のやりがいを詳しく説明する必要はありません。 求職者はすでに業界の知識やスキルを持っているため、それよりも自社ならではの特徴を明確に伝えることが重要です。
記載すべき内容としては、以下のようなポイントがあげられます。
- 同業他社との違い(例:業界トップクラスのシェア、最先端技術を導入など)
- 自社の強みや実績(例:主要取引先は○○、前年比売上120%の成長企業など)
- 業界内での立ち位置(例:国内市場では○○の分野で圧倒的なシェアなど)
- 企業文化や大切にしていること(例:実績を正当に評価する実力主義、社員の裁量が大きい環境など)
また、専門用語を適度に使用することで、経験者向けの求人であることを明確に伝えるのもポイントです。たとえば、ITエンジニア向けの求人であれば「アジャイル開発」「CI/CD」「クラウドネイティブ」といった専門用語を入れることで、ターゲットに刺さりやすくなります。
任せたいポジション
即戦力としての採用を考える場合、具体的にどのような役割を担ってもらうのかを明確に伝えることが大切です。
以下のような情報を記載すると、求職者の関心を惹きやすくなります。
- 現時点でのチーム構成(例:メンバー数・平均年次)
- チームの課題(例:マネジメント層が不足している、リーダーポジションの強化が必要など)
- 候補者に期待する役割(例:プレイングマネージャーとして活躍できる、新規プロジェクトのリーダー候補など)
ポジションが曖昧な求人は、「入社後の働き方がイメージしにくい」と判断されがちです。具体的なミッションを明示することで、より経験者にとって魅力を感じてもらいやすくなるでしょう。
経験を考慮した応募資格
応募資格を曖昧にすると、求職者とのミスマッチが発生しやすくなります。 「営業経験必須」「マネジメント経験者歓迎」といった大まかな表現ではなく、具体的なスキルや経験を明確にすることが重要です。
たとえば、以下のように具体性を持たせるとよいでしょう。
✕「 営業経験者 」
◯「法人向け営業経験3年以上(業界不問)」
✕「 リーダー経験がある方 」
◯「5名以上のチームを率いて目標達成に導いた経験がある方」
✕ 「未経験でも可 」
◯「実務未経験でも、接客業などで対人スキルを活かした経験がある方は歓迎」
「どのような経験があればパフォーマンスを発揮しやすいのか」を示すことで、求職者が自分にあった求人かどうかを判断しやすくなります。
キャリアにみあった収入例
経験豊富な人材が転職先を検討する際は、給与面も重要な判断材料です。具体的な収入例を記載すると応募率が向上します。ただし、実態とかけ離れた金額を提示すると、入社後に不満が生じる可能性があるため注意が必要です。
たとえば、年収例を記載する際は、特定のエース社員の年収例のみを記載するのではなく、実態に近い年収(平均年収など)を記載するようにしましょう。それにより、求職者は自分のキャリアにみあった待遇が得られるかどうかを判断しやすくなります。
求人に記載する際のポイントは以下のとおりです。
- 年収例を提示する(例:「法人営業経験3年以上の場合、年収500万〜600万円」)
- 基本給・賞与・インセンティブの仕組みを明示する(例:「基本給+業績賞与で年収700万円も可能」)
- 給与の成長性を示す(例:「昇給年2回。3年目で年収600万円の社員もいます」)
職場の雰囲気・働きやすさ
経験者は、職場の雰囲気や働きやすさも重視する傾向があります。 そのため、以下のような情報を求人に盛り込むと、安心感を与えることができます。
- 福利厚生・人事制度(例:リモートワーク制度あり、フレックスタイム制度あり)
- チームの雰囲気(例:20代〜30代が中心で活発に意見交換ができる職場です)
- 仕事の進め方・業務量(例:業務効率化を推進し、残業時間は月平均10時間程度です)
とくに、「働きやすさ」や「人間関係のよさ」は、経験者にとって転職の大きな決め手となる要素です。 実際の職場の雰囲気が伝わるような具体的な情報を記載することで、求職者に安心感を与え、応募意欲を高めることができます。
経験者向けの求人を書くときの注意点
経験者向けの求人を作成する際は、ターゲットを明確にしながらも、採用の機会を狭めすぎないことが重要です。
どれだけ優秀な人材を求めていても、求人の表現や条件設定によっては求職者が限定され、結果的に採用が難しくなることがあります。本章では、経験者向け求人を書く際に気をつけるべきポイントを4つご紹介します。
特定の年齢や性別、国籍などを優遇・排除しない
経験者採用では、職務経歴や保有スキルを重視することは重要ですが、年齢・性別・国籍などを限定した表現は法律で禁止されています。 求人の記載内容には十分注意が必要です。
たとえば、「30代歓迎」「女性限定」「外国籍の方は不可」といった表現は差別的とみなされ、罰則の対象となる可能性があります。 また、若年層を対象とする「例外事由3号イ」を適用する場合でも、経験年数を条件に含めることはNGです。
✕「35歳以下(例外事由3号イ):営業経験3年以上の方(未経験不可)」
◯「長期キャリア形成のため、35歳以下の方を募集(例外事由3号イ):経験不問」
法律を遵守しつつ、求めるスキルや経験を明確に記載することが大切です。
条件を詳細に詰め込み過ぎない
経験者を採用する際、「即戦力が欲しい」という思いから、求めるスキルや職務経験を細かく指定しすぎると、求職者が極端に減るリスクがあります。
たとえば、「法人営業経験5年以上、マネジメント経験必須、業界経験3年以上、TOEIC800点以上」といったように条件を詰め込みすぎると、該当する人材が非常に限られてしまいます。
採用の可能性を広げるためには、「必須条件(MUST)」と「歓迎条件(WANT)」を分けることが効果的です。
✔ 必須条件:法人営業経験3年以上
✔ 歓迎条件:マネジメント経験がある方、英語ができる方
「この経験がある人なら活躍しやすい」という視点で条件を整理することで、より多くの求職者を集めることができます。
応募のハードルを下げる
経験者採用であっても、応募のハードルを下げることは重要です。 求職者は「本当に自分にあう職場なのか」「転職する価値があるのか」を慎重に判断するため、気軽に情報収集ができる環境を整えると応募につながりやすくなります。
具体的には、以下のような工夫が効果的です。
- 「まずはカジュアル面談でざっくばらんに話しませんか?」(気軽に話せる機会を提供)
- 「就業中の方は転職時期の相談にも応じます。」(柔軟な対応をアピール)
- 「SNSで当社の雰囲気を発信しているのでぜひご覧ください。」(リアルな職場環境を伝える)
このように、「話だけでも聞いてみよう」と思わせる工夫をすることで、経験者の関心を引き、応募意欲を高めることができます。
働き方や雇用形態を広げる
優秀な経験者を採用するためにターゲットを絞ることは有効ですが、必ずしも成果につながるとは限りません。経験者の母数は限られており、競合他社との採用競争が激化するため、柔軟な採用条件を設定することが重要です。
以下のような視点で募集要件を見直すと、採用の可能性が広がります。
- 正社員以外の雇用形態も検討する(例:短時間勤務を希望するシニア層や主婦層に向けたパート・アルバイト枠)
- 業務委託の活用を検討する(例:プロジェクト単位での業務委託採用)
- リモートワークやフレックスタイムを導入する(例:地方在住の経験者も対象にする)
「なぜ正社員でなければならないのか? 」「この業務を担当できるのはフルタイム勤務者だけか? 」といった固定概念を見直し、柔軟な働き方を取り入れることで、新しい層にアプローチできるようになります。
まとめ:経験者向けの求人は訴求内容を明確にしましょう
経験者採用では、即戦力人材に響く情報を的確に伝えることが重要です。未経験者向けとは異なり、業務内容の詳細よりも企業の強みや業界内での立ち位置、任せたいポジション、収入例などを明確に示すことで、求職者の関心を惹きやすくなります。
ただし、求める条件を細かく設定しすぎると求職者が限定されてしまうため、「必須条件」と「歓迎条件」を分けたり、雇用形態を柔軟にすることで、より多くの経験者にアプローチできます。
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