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従業員がすぐに辞めてしまう! 採用ミスマッチの原因と対策

採用ミスマッチの原因と対策

新しく従業員を雇用してもすぐに辞めてしまう……といったケースが続く場合、原因のひとつとして採用ミスマッチが挙げられます。採用ミスマッチとは、企業が求める人材と実際に入社した従業員の能力や価値観が合わない状態を指します。このミスマッチが起こると、従業員の早期退職につながるだけでなく、企業にとって大きな損失となります。

本コラムでは、採用ミスマッチの原因とその対策について解説しますので、ぜひご参考にしてください。

採用ミスマッチとは

採用ミスマッチとは、企業と求職者の間で期待されるスキルや、価値観が一致しない場合などに発生します。ミスマッチとよく似た言葉にアンマッチがありますが、ミスマッチが「組み合わせたうえで、釣り合っていない状態」を指す一方、アンマッチは「釣り合わないため、そもそも組み合わせられない状態」のことを示します。

採用活動において例を挙げると、ミスマッチは採用後に企業と従業者の間に生じるギャップ、アンマッチは条件が合わず採用そのものができない状態といえます。採用ミスマッチとはどのようなズレが起こるのか、求職者目線での事例をいくつかご紹介します。

給与・福利厚生に関するミスマッチ

給与額の認識違い

  • 求人情報には「経験・能力により優遇」と記載していたが、実際には最低賃金の給与しか提示されず不満を感じている。
  • 試用期間中の給与や条件について具体的に明示されていなかったため、思っていた待遇と異なり不信感を抱いている。

福利厚生の相違

  • 求人情報には「充実した福利厚生」と記載していたが、適応されるには勤務年数など条件があり、実際には基本的な社会保険のみだった。
  • 求人情報には「資格取得支援制度あり」と記載されていたが、対象となる資格が限定的で自分が取得したい資格は対象外だった。

昇給・昇格の基準

  • 入社して1年が経つが、昇給・昇格の基準が明確でないため、自分の評価が正当に行われているのか不安を感じている。
  • 面接時に「昇給は年1回」と説明されたが、実際には業績に応じて昇給がない年もあることが入社後に分かった。

休暇制度

  • 求人情報には「有給休暇が取得しやすい」と記載されていたが、実際には有給休暇を取得しづらい雰囲気があり不満を感じている。
  • 休暇申請が承認されるまでに時間がかかったり、上司に理由を聞かれたりするなど休暇申請がしづらい環境である。

働き方に関するミスマッチ

リモートワークの可否

  • 求人情報には「リモートワーク可」と記載されていたが、実際にはほとんど出社が必要だった。
  • リモートワークが可能な部署と不可能な部署があり、入社後に自分がリモートワークできない部署に配属された。

業務内容

  • 求人情報には「幅広い業務に携われる」と記載されていたが、実際にはルーティンワークばかりでやりがいを感じられない。
  • 「WEBデザイナー」として採用されたが、実際にはコーディング作業がメインでデザイン業務に携わる機会がほとんどない。デザインスキルを活かしたいと考えているため早期退職を検討中。

チーム体制

  • チームワークを重視する環境で働きたいと思っていたが、実際には個人プレーが多く孤立感を感じている。
  • チームメンバーのスキルレベルにばらつきがあり、自分のスキルレベルと合わないためチームに貢献できているか不安を感じてしまう。

教育・研修制度

  • 教育・研修制度が充実していることを期待していたが、実際には入社後のOJTのみでスキルを習得できる機会が少ない。
  • 入社後の研修は配属先の部署で行われると説明されていたが、実際には十分な指導やフォローアップが行われず、放置されたような状態だった。

スキル・能力に関するミスマッチ

事務職の採用

  • Excelの基本的な操作ができるという条件で入社したが、実際は関数やマクロなどの高度なスキルが必要な業務だった。結果、業務がはかどらず残業時間が増加して疲弊している。
  • 電話や来客対応など対人業務が苦手なため、入力作業メインの事務職として採用されたが、実際には社内外との円滑なコミュニケーションや来客対応を求められ、精神的に負担を感じている。

エンジニアの採用

  • 実務経験のあるエンジニアとして採用されたが、あわせてチームをリードする能力も求められた。与えられた機会を全うしようと試みたが、プロジェクトが停滞しチーム全体の士気が低下してきたことから、責任を感じて早期離職を検討している。
  • チームでの協調性を重視する環境を求めていたが、個人の裁量で開発を進められる環境に配属されたことにギャップを感じて疲弊している。

これらの事例はあくまで一部であり、実際には企業と従業員の数だけミスマッチのパターンが存在します。詳しくは後述しますが、採用ミスマッチを防ぐためには、企業側は求人情報を詳細に記載し、面接で相互理解を深めることが重要です。

採用ミスマッチが企業に与える影響

採用ミスマッチが起こると、従業員がすぐに辞めてしまうだけでなく、次のような悪影響を企業に及ぼす可能性があります。

人材育成コストの増加

スキル・能力のミスマッチがあった場合、企業は追加で人材育成を行う必要がありコスト増につながります。

業務効率の低下

経験のミスマッチがあった場合、業務に慣れるまでに時間がかかったり、経験不足から業務をスムーズにこなすことができなかったりするため業務効率が低下します。

早期退職

企業文化・価値観のミスマッチがあった場合、社員は居心地の悪さやストレスを感じ早期退職に繋がりやすくなります。

採用活動、面接にかかる工数や時間

採用ミスマッチが起こると、再度採用活動を行う必要があり、人材募集、書類選考、面接などにかかる工数や時間、求人費用などが増加します。採用担当者の負担が増え、ほかの業務に支障をきたす可能性があります。

企業の評判の低下

早期退職者が頻繁に発生する企業は、悪い評判が広がりやすく、企業の評判低下に繋がりやすい。新卒採用や中途採用において応募者が減り人材獲得が難しくなる可能性があります。

残った社員への負担増大

早期退職者が発生すると、残された社員に退職者が担当していた業務が加わり、通常以上の業務量になります。そのため、残った社員への負担が大きくなり、モチベーション低下や不満に繋がります。

法的リスクの増加

たとえば、労働条件に関するミスマッチは、従業員との間で法的紛争に発展する可能性があります。求人内容と実際の労働条件が異なると、労働契約法や労基法違反となり、損害賠償や行政指導のリスクが伴います。

企業文化の希薄化

企業文化や価値観に合わない人材が入社すると、既存の社員のモチベーションが下がり、企業全体の文化が希薄化に繋がります。

採用ミスマッチが起こる原因と対策

採用ミスマッチが起こる原因と対策について解説します。

給与・福利厚生に関するミスマッチ

給与面や福利厚生に関するミスマッチは、求職者と企業間の期待値のずれから生じます。たとえば、求人には「月給24〜36万円 ※年齢・経験を考慮して優遇します」と記載されていたのに、提示された月給が24万円だった場合、経験者である求職者は不満を感じる可能性があります。

企業側は、どのような判断でその金額になったのか説明するとともに、求職者の希望給与を重視したうえで求職者からヒアリングするといった対策をとることが重要です。

次に、給与や福利厚生に関するミスマッチを防ぐ主な対策をご紹介します。

【求人の細分化】

求人に掲載する「給与」「福利厚生」「労働時間」などの条件はできる限り具体的に明記します。給与額だけでなく、「昇給制度」「賞与」「残業手当」「退職金制度」「社会保険」「福利厚生(休暇、社宅、社員割引など)」などのほか、試用期間中の給与や条件も明記します。また、昇給・昇格の基準や評価制度についても明確に周知するとよいでしょう。

【面接での情報共有】

面接の際に給与に関する情報を明確に伝え、求職者の理解を得るようにしましょう。面接時だけでなく、内定通知時や入社前の説明会などで、給与に関する詳細を具体的に説明します。給与体系、評価制度、昇給・昇格の基準などを明確に伝えることで、入社後のミスマッチを防ぐことができます。求職者から質問の機会を設け、疑問や不安を解消することも大切です。

【裁量労働制などについては、求人に明記したうえで詳細を説明する】

裁量労働制やフレックスタイム制など、通常の労働時間制と異なる制度を採用している場合は、求人にその旨を明記し、面接時に詳細な説明を行います。制度の適用条件、労働時間管理の方法、給与計算方法などを具体的に説明し、求職者の理解を得ることが重要です。企業と求職者の間で誤解や認識のずれがないように、具体的な事例やQ&Aを提示するのも有効です。

労働時間についてはこちらのコラムもご参考にしてください。

フレックスタイム制と変形労働時間制の違いとは? 求人の書き方や用語を解説 【2024年改正】裁量労働制の導入方法と求人の書き方【2024年改正】裁量労働制の導入方法・求人の書き方もご紹介

働き方に関するミスマッチ

働き方に関するミスマッチは、企業と従業員の双方にとって不幸な結果をもたらします。たとえば、コミュニケーションの手段ひとつにおいても、企業と求職者の間で認識が異なっている場合があります。対面でのコミュニケーションを重視する企業に対して、チャットでのコミュニケーションを好む求職者はミスマッチとなる可能性があります。

しかし、対策を講じることで、ミスマッチを減らし、よりよい採用を実現することができます。次に、働き方に関するミスマッチを防ぐ主な対策方法をご紹介します。

【求人の細分化】

前述の給与や働き方に関するミスマッチと同じく、まずは求人に掲載する情報を細分化することが第一です。「リモートワークの可否」「業務内容」「チーム体制」「教育・研修制度」「労働時間や残業時間」「副業の可否」「転勤の有無」「服装規定」「オフィス環境」「コミュニケーション手段」など、働き方に関する情報を具体的に記載するようにしましょう。

【面接での情報共有】

面接の際に働き方に関する情報を明確に伝え、求職者の理解を得るようにしましょう。求職者からの質問の機会を設け、疑問や不安を解消することも大切です。また、面接で企業の文化や価値観について詳しく説明したり、求職者の価値観やキャリアプランを深く理解することも大切です。

職場見学やインターンシップの実施】

職場見学やインターンシップを実施し、求職者が実際に企業の働き方を体験できる機会を提供するとよいでしょう。また、採用サイトやSNSなどで企業の文化や価値観を積極的に発信し、求職者の理解を深めることも良策です。

【入社後のフォローアップ体制の整備】

入社後に、働き方に関するミスマッチがないか定期的に確認し、必要に応じて改善するとよいでしょう。そのほか、働き方に関する悩みや相談を受け付ける窓口を設置するというのもひとつの方法です。

スキル・能力に関するミスマッチ

スキル・能力のミスマッチは、企業にとっては人材育成コストの増加や業務効率の低下につながり、従業員にとっては能力不足を感じて自信を失う原因となるため、とくに注意が必要です。

ミスマッチが起こる原因として、求人に掲載された情報の曖昧さが挙げられます。求めるスキルや能力が具体的に記載されていないため、求職者が自分のスキルと企業のニーズを正確に把握できないまま応募・面接・入社と進んでしまう可能性があります。企業もまた、採用基準が曖昧であったり、面接でスキルや能力について十分に確認せず、求職者の自己申告のみを鵜呑みにしてしまった結果、スキルや能力が十分でない人材を採用するというミスマッチが発生します。

次に、スキル・能力に関するミスマッチを防ぐ主な対策方法をご紹介します。

【求人の細分化】

求めるスキルや能力を具体的に記載し、求職者が自分のスキルと企業のニーズを照らし合わせられるようにする必要があります。たとえば「実務経験3年以上」「プロジェクトのリーダー経験」「Excelで関数が扱える(VLOOKUP、IFなど)」などの表記があるとより伝わりやすくなります。

【面接でのスキルチェック

求めるスキルや能力を明確にした「スキルチェックリスト」を作成し、面接時に活用します。これにより、評価基準が明確になり、面接官ごとの評価のばらつきを抑えることができます。実際の業務で必要とされるスキルを測るための課題やテストを面接に取り入れることも有効です。たとえば、エンジニア職であればコーディングテスト、デザイナー職であればデザインの課題、事務職であればExcelを使ったデータ処理テストなど、職種に応じた課題を設定します。

クリエイティブ職やエンジニア職など、成果物が具体的な職種の場合、ポートフォリオの提出を求めるとよいでしょう。面接時にポートフォリオについて説明してもらい、スキルレベルや実績を確認することができます。

【採用基準の明確化】

採用基準を明確にしてスキルや能力が十分な人材を採用できるようにすることが大切です。採用基準の明確化については次のステップをご参考にしてください。

ステップ1)職務記述書の細分化

  • 職務内容、必要なスキル、経験、資格などを具体的に記述する
  • 「必須スキル」「歓迎スキル」を分けて記載し、優先順位を明確にする
  • 職務遂行に必要な知識、ソフトスキル(コミュニケーション能力、問題解決能力など)も明記する

ステップ2)スキルチェックリストの作成

  • 職務記述書に基づき、評価項目をリスト化する
  • 各項目に対して具体的な評価基準(レベル1〜5など)を設定する
  • 面接官間で評価基準を共有し、評価のばらつきを抑える

ステップ3)スキルテスト・課題の実施

  • 職種に応じたスキルを測るためのテストや課題を作成する
  • エンジニア職であればコーディングテスト、デザイナー職であればデザイン課題、事務職であればExcelのスキルテストなど、実務に近い形式で行う
  • テスト結果を評価基準と照らし合わせ、客観的な判断材料とする

ステップ4)採用基準の共有と定期的な見直し

  • 採用に関わる全員(人事担当者、面接官、配属先の責任者など)で採用基準を共有する
  • 採用後にミスマッチが起こった場合は、その原因を分析し、採用基準を見直す
  • 市場の変化や組織の状況に合わせて、定期的に採用基準を更新する

そのほかの対策方法

そのほかの対策方法についてご紹介します。

【配属先の担当者からの意見をヒアリングする】

配属先の責任者や現場担当者に、求めるスキルや経験、人物像についてヒアリングをしたり、現場で活躍している社員の特徴や共通点を分析し、人材要件や採用基準に反映させます。

【フィードバックの活用】

採用後に、現場担当者から採用した人材が現場で活躍しているか、ミスマッチはなかったかなど、評価や意見を収集・フィードバックを活用することで改善点を見つけやすくなります。

採用管理システム(ATS)の活用】

採用管理システム(ATS)とは、求人情報の管理や応募者対応、面接のスケジュール調整などを効率化するだけでなく、応募者との認識のズレを防ぐ採用ホームページの構築にも活用でき、ミスマッチの軽減に効果的です。さらに、複数の担当者とリアルタイムで情報を共有できるため、チーム全体で一貫した対応が可能になり、採用プロセス全体の精度が向上します。

弊社が提供する採用管理システム(ATS)アットカンパニーは、人材のプロが担当としてサポートするため、求人や採用ホームページの作成から運用まで丸ごとおまかせすることが可能です。求人の細分化に悩む方や採用ノウハウが不足している企業様にも安心してご利用いただけます。。詳細については下記ボタンよりご覧ください。

まとめ:採用ミスマッチの対策、まずは求人情報の細分化を

採用ミスマッチが起きると、早期離職によって採用コストの損失につながったり、従業員のモチベーションが低下するなど、企業と従業員の双方にとって不幸な結果をもたらします。企業は求人情報の細分化や企業文化の明確化を行うなどの対策を講じることで、採用ミスマッチを減らすことが可能です。

自社では対処する時間やノウハウがないという場合は、採用管理システム(ATS)の活用をおすすめします。弊社が提供する採用管理システム(ATS)アットカンパニーは、求人の作成・管理、応募者のスクリーニング、面接のスケジュール調整といった採用プロセス全体を効率化し、データに基づいた採用活動を行うことで採用ミスマッチを減らすことができます。より詳しいサービス内容については下記ボタンより詳細をご覧ください。

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