高齢化などの影響で看護師の需要も年々高くなり、採用の難しさに悩まれている担当者様も多いのではないでしょうか。看護師の採用難が続くなかで、新たな採用手法の導入も検討したいところです。まずは、成功事例も増えつつある、採用管理システム(ATS)の活用を検討することをおすすめします。
本記事では、看護師不足の現状と課題・打ち手の解説とともに、採用管理システムを活用した看護師採用の成功事例をご紹介します。
目次
看護師不足の現状と課題
まずは、看護師不足の現状と課題について確認します。
2.0倍を超える看護師の有効求人倍率
厚生労働省が発表している「職業安定雇用統計(令和6年3月分)」によると、保健師・助産師・看護師の有効求人倍率は2.14と非常に高い値となっています。看護師以外に保健師・助産師も含まれていますが、いずれも看護師資格が必要な職種です。有効求人倍率は、1.0を超えると募集に対して求職者が不足している、採用難の状況を表します。本統計を踏まえると、他職種に比べ、看護師採用は非常に難しいことがわかるでしょう。
職業 | 有効求人倍率 |
---|---|
保健師・助産師・看護師 | 2.14 |
営業・販売事務従事者 | 1.08 |
一般事務従事者 | 0.40 |
ちなみに、同表にある営業・販売職の有効求人倍率は、比較的採用を行いやすい1.08です。一般事務職に関しては0.40と非常に低い値であることを考慮すると、看護師採用の難しさをさらに深く実感することができます。
非常に高い看護師の離職率
看護師不足の背景にはいくつかの要因がありますが、代表的な要因は高い離職率です。公益社団法人日本看護協会が、全国を対象とした病院8,300施設に実施した調査によると、正看護師の退職者数がこれまでに比べて増加したという回答が非常に多くなっています。
上記表を参照すると、「とても増加した」「やや増加した」の合計は約35%となっており、もともと離職率の高い職種でありながら、近年はさらに離職率が増している状況です。看護師採用を必要とする事業者は、組織ごとの離職の要因を分析したうえで、適切な対策を実施する必要があるといえます。
看護師採用における課題
看護師採用をさらに難しくしている課題は、採用担当者が採用に充分な時間をとれないことにもあります。看護師採用が難しくなっているなかで、採用戦略の計画や採用手法の見直しが必要な状況です。しかし、採用を担当している人自体が日々忙しくしている医者や看護師であることも多く、採用のノウハウを身につけたり十分な時間を作るのが難しいこともあるでしょう。
これらの看護師採用の課題を解消する方法として、現在注目され始めているのが採用管理システム(ATS)です。サービスにもよりますが、募集から応募者管理・採用までの業務支援が可能なツールで、効率的な採用活動を行うことができます。看護師採用におすすめのサービスですので、看護師不足の原因や打ち手の理解とともに、後述でご紹介する活用事例もぜひご参考ください。
看護師が不足している原因
看護師が不足する代表的な原因には、下記のようなものがあります。
過酷な労働環境
看護師が不足している代表的な原因は、過酷な労働環境であることにあります。医療に関わるやりがいはありますが、一般職に比べると、比較的過酷な現場であることがほとんどです。女性比率の多い職種であることを考慮すると、夜勤比率や勤務時間の調整なども工夫する必要があります。
入職後のミスマッチ
業界柄、縁故採用も多く、組織風土や勤務環境を積極的に発信する施設が少ないといったことも、ミスマッチが生まれやすい理由のひとつとなっています。ミスマッチが起こると早期退職につながりやすく、安定的な人員確保を行うことができません。
看護師を求める事業者の増加
高齢化によって医療へのニーズが高まり、看護師を求める事業者が増えたことも、看護師不足の原因となっています。看護師を求めているのは病院だけでなく、介護保険施設や訪問介護ステーションなどさまざまです。数年前に比べ幅広い事業者から求められていることで、とくに優秀な看護師は取り合いになり、その結果看護師不足を引き起こしているといえます。
看護師不足の解決に向けたおすすめの対策
ここからは、看護師不足の原因に対しての、おすすめの対策方法を解説します。
労働環境や待遇の見直し
看護師不足が続く状況のなかで、労働環境や待遇の見直しは必須事項だといえます。まずは看護師協会も推進している、下記のような多様な勤務スタイルの導入を検討してみるのもおすすめです。労働環境や待遇が変われば勤務意欲も向上し、定着率向上と採用力アップにもつながるでしょう。
▶ フレックスタイム/時差出勤の導入
▶ ワークシェアリング/短時間出勤/変形労働時間制の導入
▶ 日勤・夜勤の選択制/夜勤勤務時間・回数の調整
▶ 雇用形態や勤務形態の柔軟な変更ができる体制
▶ 勤務地を選択できる仕組みの導入
採用ページ作成・SNS運用
採用ページ作成やSNSを活用した採用活動も、採用力を向上させるおすすめの方法です。採用ページやSNSを通して組織の魅力を発信し、業務内容や待遇、仕事のやりがいや大変さなどをしっかりと伝えることは、ミスマッチの防止にもつながります。採用の難しい看護師採用においては、必須事項ともいえる対策のひとつです。
新たな採用手法の確立
思うように看護師採用が進んでいないようであれば、これまでの採用手法を見直し、新たな採用手法を採り入れることが必要です。コストを抑えながらより効率的に採用活動を進められる、組織にあった手法の確立が急務だといえます。これらを叶える新たな採用手法のひとつとしては、採用管理システム(ATS)の活用が良策です。活用の成功事例をもとに解説しますので、ぜひ自組織での活用をイメージしてご覧ください。
【成功事例】採用管理システム(ATS)を活用した看護師採用
採用管理システム(ATS)を活用した、看護師採用の成功事例をご紹介します。
採用を支援する採用管理システム(ATS)とは?
採用管理システムは、Applicant(応募者)Tracking(追跡)System(システム)の頭文字から「ATS」と呼ばれ、企業・施設の採用活動の効率化と生産性向上を支援するサービスです。
採用情報に特化したホームページの作成や、求人の作成・配信、応募者管理などを一気通貫で対応できる製品が多いのが特徴です。
採用ホームページでは、職場の雰囲気や仕事内容などをより詳細に伝えることができるため、看護師の採用難の打ち手となるでしょう。
また、Indeedをはじめとした主要求人サイトと連携している製品が多く、複数の求人サイトへ掲載できることで幅広い層に訴求することができるのも採用管理システム(ATS)の魅力です。
採用管理システム(ATS)についてはこちらのコラムで詳しくご紹介していますので、あわせてご覧ください。
【初心者向け】採用管理システム(ATS)とは? 機能やメリットを解説弊社が提供する採用管理システム(ATS)アットカンパニーでも、同様の機能を標準搭載しております。採用ホームページで掲載できるボリュームは業界最大規模で、より多くの情報を求職者に届けることができるため、採用ミスマッチの軽減にもつながり、採用難が続く医療・福祉業界でも多数ご利用いただいています。
具体的にどのように活用していただいているのか、採用成功事例を3点ご紹介します。ぜひ自組織での活用をご検討ください。
成功事例1:採用ページの活用で自社の魅力を伝えて看護師採用!
高齢者向け住宅やデイサービスを、兵庫・大阪の4施設で展開している「有限会社ワイズケア」様の場合
各施設で求人募集を行っていましたが、エリアによって反響に波がありました。また、SNSや自社のホームページでスタッフブログを更新するも情報発信の難しさに直面するなど、現場スタッフも疲弊気味だったため、アットカンパニ―の活用を開始。
とくに、採用ページ作成機能が重宝しています。写真を多用して職場の雰囲気を伝えたり、施設紹介や求人内容の更新も自らできるので、ストレスなく迅速に求人をかけることができています。また、自社ホームページのみでは訴求できなかった組織の魅力を発信することで、応募者数は全職種計で9か月で80名を超えるほどに。看護師や施設長、サービス管理責任者といった採用難職種も入職に至るなど、安定した職場環境を実現できました。
成功事例2:WEB面談機能や、リアルタイムな求人募集で採用力アップ!
医療従事者の教育・育成とともに、地域医療を支える「学校法人近畿大学 近畿大学病院」様の場合
大学病院内で募集する職種は、看護師以外にも多岐に渡りますが、採用管理システム(ATS)を活用することで、幅広い職種や雇用形態の募集をひとつのシステム内で行えるため、人事業務の効率化と雇用の安定を両立しています。
アットカンパニーの場合、WEB面談の機能が備わっており、選考の面談に限らず、事前の顔合わせや採用の相談なども気軽に受けることができます。そのような過程を設けることで、応募者のみなさまには安心してスムーズに選考に進んでいただけています。
また、採用ページや求人内容を自社でリアルタイムに自由に作成・更新できる点は、忙しい医療・介護業界で非常に活用しやすい機能だと思います。
参照:アットカンパニ―|お客様の声「学校法人近畿大学 近畿大学病院」様
成功事例3:戦略レポートや運用フィードバックなど、手厚いサポートが採用の力に
高齢者ケアや訪問看護、リハビリテーションなど、複数の異なる機能を有するヘルスケアの複合体「はぁとふるグループ」様の場合
2020年5月頃からアットカンパニーを利用していますが、手厚いサポートが一番の魅力だと感じています。担当してくれているアットカンパニーの営業およびサポートのお二人と共に、どうすればアクセスが増えるのか、どうすれば応募が増えるのか、一緒に悩み、試行錯誤を繰り返しています。いつも困ったときにすぐにコンサルテーションをしてくれるほか、月別レポートのフィードバックも有り難いですし、それを元に新たな戦略を添えて返事をくれる心遣いにも感謝しています。
また、利用を開始するきっかけとなったコロナ禍における難しい採用活動も、アットカンパニーの採用ホームページを活用してWEB就職説明会への募集を呼びかけたところ、多くの反響があり、登録もスムーズに行え、人事労務の視点からも効率的に採用につながる取り組みができました。
単なる採用サイトとしての役割だけでなく、我々の立場や時代にあったサポートを受けられる体制が、採用の力になっています。
まとめ:看護師不足には、採用管理システム(ATS)の活用が良策
今回は、看護師不足の現状と課題・打ち手の解説とともに、おすすめの採用管理システム(ATS)を活用した看護師採用の成功事例をご紹介しました。成功事例をサービス選定の参考にするとともに、他事業者様の採用管理システム(ATS)の活用アイデアも、ぜひご参考にしてください。
記事内でもご紹介したアットカンパニーは、採用や求人に関する深い知識をもつ、専任スタッフのサポートがあるため、人事未経験の方も簡単に利用を始められるサービスとなっています。詳しいサービス内容につきましては、下記ボタンよりご確認ください。