新卒採用は企業にとって重要な取り組みのひとつです。しかし、新卒採用の選考プロセスは多岐にわたるため、人事担当者の管理業務も煩雑になりがちです。そこで役立つのが採用管理システム(ATS)です。
本記事では、新卒採用に特化した採用管理システム(ATS)を7つご紹介し、その選び方と必要性について解説します。自社に適した採用管理システム(ATS)を導入することで、採用業務の効率化、コスト削減、さらには採用の質の向上につながりますので、ぜひご参考にしてください。
目次
採用管理システム(ATS)とは
採用管理システム(ATS:Applicant Tracking System)とは、企業の人事部門や採用担当者が人材採用プロセスを効率的に管理するためのシステムです。応募者の情報管理から選考進捗の追跡、コミュニケーションの効率化まで、採用に関わるさまざまな業務をサポートします。
とくに新卒採用においては、数多くの応募者を効率的に管理し、採用プロセス全体を見渡しながら、最適な候補者を選出することが重要です。それを実現するためにも、採用管理システム(ATS)の導入が欠かせません。
また、一言で採用管理システム(ATS)といっても、機能や特徴はツールによって異なります。新卒採用に特化した採用管理システム(ATS)では、求人サイトとの連携機能や選考管理機能、内定者フォローに役立つ機能など、学生とのコミュニケーションを効率化する機能を備えています。これらを活用することで、人事担当者は採用活動の業務負担を軽減し、より戦略的な採用活動に専念することが可能です。
新卒採用に採用管理システム(ATS)が必要な理由
新卒採用における成功を収めるためには、採用候補となる優秀な学生を効率的に獲得することが重要です。とくに中途採用と異なり新卒採用の場合は、その年の就活生が限られているため、いかに多くの学生と接点を取るかが大切です。
学生に対して効率的にアプローチするうえで採用管理システム(ATS)は欠かせないツールとなります。ここでは、新卒採用を成功に導くために採用管理システム(ATS)がなぜ重要なのか、その理由を具体的に解説します。
採用業務の効率化
採用管理システム(ATS)は、応募者の情報管理、選考進捗の追跡、コミュニケーションの自動化など、多岐にわたる採用プロセスの効率化を実現します。とくに新卒採用では数多くの学生と接点を取るため、手作業による管理は膨大な時間と労力を要し、人事担当者の負担が大きくなりがちです。
採用管理システム(ATS)を導入することで、履歴書のスクリーニングや選考状況の更新などが自動化され、人事担当者はより価値の高い業務に集中できるようになります。これにより、採用プロセス全体のスピードと品質が向上し、より多くの学生と接点を取ることができます。
採用コストの最適化
採用活動には多くのコストがかかりますが、採用管理システム(ATS)の活用によりこれらのコストを最適化することが可能です。たとえば、効率的な応募者管理や選考プロセスによって、不要な面接や評価作業が削減されます。
また、適切な候補者とのコミュニケーションを効率化することで、良質な候補者の離脱を防ぎ、再募集に伴うコストが抑えられます。このように、採用管理システム(ATS)は採用にかかるコストの削減に大きく寄与します。
採用の歩留まり改善
採用の歩留まりとは、採用プロセスのなかで各工程に進んだ人数の割合のことです。一般的に新卒採用は、中途採用に比べて選考フローが多岐に渡ります。
<例>
- 求人サイト掲載
- エントリー(エントリー率)
- 会社説明会(会社説明会参加率)
- 書類選考(書類選考通過率)
- 一次面接(一次面接通過率)
- 二次面接(二次面接通過率)
- 最終面接(最終面接通過率)
- 内定出し(内定承諾率)
- 入社
各フェーズにおける計算式と平均値(弊社調べ)を以下の表にまとめましたので、参考にしてください。
各フェーズ | 計算式(%) | 平均値 |
---|---|---|
求人サイト掲載 | ||
エントリー率 | エントリーした応募者数÷求人サイトを閲覧した応募者数×100 | 1〜5% |
会社説明会参加率 | 会社説明会に参加した参加者数÷エントリーした参加者数×100 | 80%前後 |
書類選考通過率 | 書類選考を通過した応募者数÷応募者数×100 | 20〜30% |
一次面接通過率 | 一次面接を通過した応募者数÷一次面接応募者数×100 | 30〜50% |
二次面接通過率 | ニ次面接を通過した応募者数÷二次面接応募者数×100 | 50%前後 |
最終面接通過率 | 最終面接を通過した応募者数÷最終面接応募者数×100 | 数%〜20% |
内定承諾率 | 内定を受諾した内定者数÷内定者数×100 | 80〜90% |
入社 |
採用管理システム(ATS)を導入し、採用の歩留まりを把握することで、自社の採用活動においてどの選考フェーズに課題があるか明確になるため、適切な改善施策を実施することができます。たとえば、一次面接の通過率が課題の場合、面接担当者によって合格基準にバラつきの可能性があるため、一次面接での合否判断軸を統一することが必要です。
または、内定承諾率が低い場合、学生に対するフォローが不足している可能性があります。このように、採用歩留まりを可視化したうえで、検証と改善を繰り返すことで、採用力が高まります。
新卒採用に最適な採用管理システム(ATS)の選び方
新卒採用を成功に導くためには、採用管理システム(ATS)の選定が非常に重要です。しかし、市場にはさまざまなシステムが存在し、それぞれに特色があります。最適なシステムを選ぶためには、以下のポイントを考慮することが必要です。
求人サイトとの連携
採用管理システム(ATS)を選ぶ際に最初に考慮すべき点は、新卒採用サイトとの連携機能があるかどうかです。多くの新卒候補者は求人サイトを通じて情報を得ています。
したがって、これらのサイトとスムーズに連携できるシステムを選ぶことは、応募者の幅を広げ、より多くの候補者にアプローチするうえで効果的です。また、応募情報の収集や管理の手間を省き、効率的なスクリーニングができます。
外部ツールとの連携
現代の採用活動では、ビデオチャットツールやSNSを活用したコミュニケーションが一般的です。これらのツールとの連携が可能な採用管理システム(ATS)を選ぶことは、プロセスの効率化と応募者との円滑なコミュニケーションの両方を実現します。
とくに遠隔地に住む応募者との面接や情報共有において、これらのツールは非常に有効です。外部ツールとの連携機能があるシステムを選択することで、柔軟かつ効率的な採用活動が可能になります。
見やすさ・使いやすさ
採用管理システム(ATS)は人事担当者が日々使用するものですから、見やすさと使いやすさは非常に重要です。多機能であっても、直感的に操作できなければその価値は半減します。また、システムが複雑で使いにくいと、人事担当者の業務効率が低下するだけでなく、ミスの原因にもなりかねません。
したがって、実際にデモを試したり、事例を確認したりすることで、自社の人事担当者が容易に使いこなせるシステムを選択することが肝心です。
新卒採用におすすめの採用管理システム(ATS)7選
採用活動を効率化し、新卒採用の成功率を高めるためには、適切な採用管理システム(ATS)の選定が不可欠です。ここでは、新卒採用におすすめの採用管理システム(ATS)を7つご紹介します。
アットカンパニー
アットカンパニーは、中小企業の採用に特化した採用ホームページの作成と応募者管理が可能な採用支援ツールです。採用活動の効率化やコスト削減を目的としており、求人情報の発信から応募者管理、選考プロセスの管理まで、一連の採用活動をサポートします。
<特徴>
- 職場の魅力を発信:採用サイトだけでなく、プランによっては会社案内やサービス紹介のページ作成可能。自社に合った人材の関心を惹き寄せるために、求人広告では伝えきれない職場の魅力を発信することができます。
- 専任の担当者がサポート:サイトの作成から、公開後の運用まで、人材業界のプロである専任の担当者がサポート。ノウハウがない方でも安心して運用することができ、有望な人材獲得が目指せます。
- 求人サイトに自動連携:Indeedやスタンバイなど6つの主要求人サイトに自動連携し、応募者対応・選考も効率化できます。
アットカンパニーのプランの内容や料金について、気になる方はお気軽にお問い合わせください。
HRMOS(ハーモス)採用 新卒エディション
HRMOS採用 新卒エディションは、新卒採用に特化した採用管理システム(ATS)です。学生とのやりとりや面接官との面接日程調整・評価連絡など、大量な採用業務を効率化し、学生との対話時間や見極めに注力できるなど、最適な候補者体験の実現を目指しています。
さらに、ビズリーチとの連携により、他社事例や採用ノウハウの提供や、専任コンサルタントによる改善支援も受けられます。
<特長>
- 大量の採用業務の自動化と効率化:人事担当者の工数削減に貢献し、採用のスピードと品質を向上させます。
- 学生との接点履歴をリアルタイムで反映:社内の情報共有をスムーズにし、採用スピードをアップさせます。
- 選考フローの柔軟なカスタマイズ:求人ごとに選考フローを設計し、学生の評価状況に応じて選考ステップをカスタマイズするなど、新卒採用の質を向上させます。
ACCESS ON LINE(アクセスオンライン)
ACCESS ON LINE(アクセスオンライン)はマイナビが提供する新卒採用に特化した採用管理システム(ATS)です。新卒採用に関わるすべての情報をWEB上で一元管理し、効率的かつ効果的な採用支援を目指します。
採用フローに合わせたマイページの設計や面接日程調整、蓄積されたデータに基づいた集計・分析を自由自在に行えるのが大きな特徴です。
<特長>
- 採用に必要な機能を標準搭載:採用に関する情報を一元管理するマイページや、採用サイトの作成、面接官・リクルーター向け機能まで、採用のあらゆるフローに対応します。
- 充実したデータ集計機能:ダッシュボードやクロス集計などの機能が充実しており、エントリー経路ごとの歩留り確認や進捗率の確認が可能です。
- マイナビとのシームレス連携:就職情報サイト「マイナビ」とシームレスに連携。ユーザーである学生にとって再ログインのストレスがなく、離脱を防ぐことができます。
i-web
i-webは、応募者と企業をつなぐ採用活動のプラットフォームです。業界唯一、大手就職情報サイト2媒体「リクナビ」「キャリタス就活」との連携および、適性検査「SPI3」「TG-WEB」とも完全連動しています。さらに、WEBセミナーやオンライン面接、録画面接といったオンライン上でのアプローチもi-web上で実施でき、オンライン採用を強化します。
<特長>
- 業界唯一のシームレス連携:大手就職情報サイト「リクナビ」「キャリタス就活」や、適性検査「SPI3」「TG-WEB」とデータを連動させることで、人事担当者の負担軽減を図ります。
- 高いセキュリティレベルとサービス品質:国際規格に準拠したセキュリティとサービスレベルを保証し、採用・就職活動の安全なプラットフォームを提供します。
- CMS機能と採用アプリの標準搭載:直感的な操作でデザイン性の高い採用ページを作成でき、自社の魅力をリアルに伝えることで、企業の採用成果に貢献します。
MOCHICA
MOCHICAは、LINEと連携した採用管理システム(ATS)で、業種・業界を問わず多くの企業に導入されています。応募者との選考日程調整や結果通知、連絡をLINEを通して行うことができ、従来の電話やメールに比べて発見率が大きく向上します。これにより、選考参加率の改善にもつながり、企業と応募者の距離を縮めることが可能です。
<特長>
- LINEとの連携によるコミュニケーションの効率化:応募者とのスムーズな日程調整や連絡ができ、選考参加率の向上に貢献します。
- 採用・選考の管理機能:選考ステータスの管理や評価の記録が可能で、面接官ごとのアカウント発行にも対応。企業ごとのセグメント管理にも柔軟に対応します。
- 直感的で高機能な管理画面:非常にシンプルかつ高機能な管理画面を提供し、誰でも直感的に採用管理を行うことができます。
採用一括かんりくん
採用一括かんりくんは、新卒・中途採用を一元化管理できる採用管理システム(ATS)で、採用に関わるすべての業務を効率化します。比較的リーズナブルに利用でき、SNSとの連携機能など、現代の学生とのコミュニケーションを効率化する機能が充実しています。業界・業種問わずあらゆる企業が導入しているサービスで、採用管理システム(ATS)の導入がはじめての企業にもおすすめです。
<特長>
- 一元管理と自動化による工数削減:一元管理をすることで、採用の各工程で発生する管理業務の工数が削減され、候補者とのコミュニケーションの時間を増やすことができます。
- LINEとのシームレスな連携:学生の約97%が利用しているLINEを活用することで、メールでのやり取りに比べて返信率・参加率アップに貢献します。
- リーズナブルな価格設定:月額2万円からの低コストでありながら、登録者数やアカウント数無制限で充実した機能を提供しています。
JobSuite FRESHERS(ジョブスイートフレッシャーズ)
JobSuite FRESHERSは、通年化・多様化する新卒採用活動において、選考管理や学生とのコミュニケーションなど、新卒採用に必要な機能を備えた新卒採用管理システムです。「仲間を迎え入れる」という、採用活動の本質をシンプルに実現することをコンセプトに掲げ、新卒採用活動に必要な機能を、誰でも簡単に使用できるようになっています。
<特長>
- シンプルな操作性:選考管理や採用動画など新卒採用に必要な機能を直感的な操作で扱うことができ、経験が浅い方でも手軽に利用可能です。
- リレーションの強化:LINEとの連携や学生への連絡通知機能などを通じて、応募者とのつながりを強化し、より深い関係構築をサポートします。
- 安全な情報管理:プライバシーマークや情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)の取得・運用により、個人情報を安全に管理します。
まとめ|採用管理システム(ATS)を導入して、戦略的な採用活動を実現
新卒採用を成功させるには、採用業務の効率化、採用コストの最適化、および採用の歩留まり改善が重要です。その実現のためにも、採用管理システム(ATS)の導入が欠かせません。採用管理システム(ATS)を活用することで、人事担当者はより戦略的な採用活動に注力でき、採用コストの削減や採用品質の向上が期待できるでしょう。
一方、採用管理システム(ATS)は数多くの種類があるため、自社の採用課題や目的にあったシステムを選択することが大切です。今回ご紹介した内容をもとに、ぜひ自社に適した採用管理システム(ATS)を導入してください。
アットカンパニーなら、採用ホームページや求人ページの作成、運用を専任担当にまるっと丸投げすることができます。その分、応募者対応など他の業務に集中できるため新卒採用を効率的かつ効果的に進められます。その他にも採用活動に役立つ便利な機能を多数搭載しています。詳しくはサービス資料をご覧ください。