人材不足に悩むホテル業界において、離職しない仕組みづくりは、雇用を安定させるための大切なポイントです。あわせて、採用管理システム(ATS)の活用を含めた、採用力の強化も急務となっています。インバウンド需要を取り込むためにも、人材不足解消の打ち手を把握しておきましょう。
本記事では、ホテル業界における離職しない仕組みづくりの方法とともに、業界に適したおすすめの採用管理システム(ATS)を3つご紹介します。
目次
【ホテル業界】人材不足の現状と要因
まずは、ホテル業界が慢性的に悩む、人材不足の現状と要因について解説します。
ホテル業界における人材不足の現状
ホテル業界が人材不足に悩む理由のひとつが、インバウンド受け入れにともなうホテル数の増加です。ホテル数が増えれば、運営に必要な労働者が当然必要になり、人材の取り合いが起こります。観光地や都市部などを中心に、採用の競争率が非常に高まっている状況です。
帝国データバンクが実施した、上記の2024年度(2024年4月〜2025年3月入社)正社員採用状況に関する調査によると、「採用の予定がある=(採用が必要)」と答えた企業の割合は旅館・ホテル業界がもっとも多い割合となっています。また、「採用が増加する(見込み)」と回答する企業も30%を越えていることから、今後も引き続き採用難易度は高く、人材不足が継続することが予想されるでしょう。
インバウンド増加により人材が枯渇
ホテル業界全体で人材不足が起こっている背景としては、インバウンド増加にともなう人材の枯渇が起こっていることにあります。ご存じのとおりですが、ホテル・宿泊に関わる業務は、清掃・飲食・サービスのどれも高い水準を求められるものです。現代ではサービスレベルとともに、可能な限り外国語を話せる人材を求める動きもあり、採用活動はこれまでに増して難しくなっている状況だといえます。
離職率の改善が、採用のキーに
ホテル業界は、離職率が高いことも人材不足の大きな要因となっています。下記の「厚生労働省雇用動向調査」における産業別の離職率調査をみても、宿泊・飲食業は14.8%と生活関連サービス・娯楽業に次いで2番目に高い状況です。
グラフの青いバーは入職率、緑のバーは離職率です。ホテル業界が属する「宿泊業・飲食サービス」は入職率が比較的高いにも関わらず、その多くが離職していることがみてとれます。つまり雇用を安定させるには、採用力の強化とともに離職しない仕組みづくりが必要です。採用力強化と離職を防ぐ仕組みづくりの両面が、今後の採用活動のキーポイントになるでしょう。
ホテル業界の離職率が高い理由
ホテル業界の離職率は、なぜ高いのでしょうか。ここからは離職に繋がる理由について解説します。
給与・待遇の水準が低い
ほかの業界や職種に比べて、給与や待遇の水準が低い傾向にあることも離職の要因となっています。マイナビが実施した2023年度職種別の年収ランキング(※)によれば、「ホテル・宿泊関連サービス」の平均モデル年収は425万円で、約300職種中で287位です。年収400万円〜500万円台が約83%とボリュームゾーンとなっていますが、ホテル業界に求められるスキルやサービスと比較しても、低い給与水準となっています。
参照:マイナビ|2023年版 職種別 モデル年収平均ランキング
不規則な勤務時間帯
基本的には、24時間365日の対応が必要となるため、不規則な勤務体制も離職の要因となっています。繁忙期には問い合わせや残業も増え、勤務時間帯がさらに不安定になることも少なくありません。不規則な勤務時間が体力や精神的な負担となっていることを、理解しておく必要があるでしょう。
休日数や休暇制度への不満
ホテル業界にかぎらず、人手不足に悩む組織は休日・休暇を十分に確保できないケースがあります。運営に支障がでないよう、他業種に比べて休日が少なかったり、カレンダー通りに休めないことも、少なからず離職の要因になっています。まずは、現時点で在籍しているスタッフのみで運営できる環境づくりから着手することをおすすめします。
離職しない仕組みづくりとは?
ここからは、離職を防ぐための具体的な対策をご紹介します。
働き方の改善
まずは、業務を細分化し、パートタイムのスタッフを活用して、働き方の改善を行うことが良策です。たとえば、深夜帯にパートタイムのスタッフを増やし、日中の業務の多い時間帯は正社員で対応するなど工夫をすることで、勤務体制を組み直します。個々が働きやすい時間帯に勤務を割り振り、業務負担の問題を軽減することが可能です。
DX化による業務効率化
スマートチェックインや予約・客室管理ツールの導入、バックオフィスの効率化を図るITツールなどを活用し、ホテル全体の業務効率化を図ることもおすすめです。人に任せる部分とAIやITツールに任せる部分が明確になれば、これまで最低限必要としていた人員を減らすことができ、業務自体の負担も大きく軽減されます。
給与や待遇の見直し
勤務体制の見直しや業務効率化によって利益率が高まれば、給与や待遇の見直しも図りたいところです。2024年5月時点では円安が進み、物価も高騰し続ける傾向にあります。従業員の生活や競合ホテルの条件を意識した、給与や待遇の見直しも必要な時期だといえるでしょう。宿泊費用の見直しとあわせて、給与・待遇について再考することをおすすめします。
採用管理システム(ATS)の活用
人事業務の効率化と離職率の改善には、採用管理システム(ATS)の活用がおすすめです。利用するサービスによりますが、現場の雰囲気が伝わる写真の掲載や、動画の活用、企業の紹介など、より詳細な求人内容を提示することが可能です。それにより、求職者は具体的に働く姿がイメージできるため、入社後のミスマッチを減らし、定着率の向上が目指せます。また、求人募集~応募者管理までを一括して行えるため、採用業務を効率化しながら、ノウハウを自社に蓄積することができます。自社にあった採用管理システム(ATS)の活用が、採用力強化の重要なポイントとなるでしょう。
ホテル業界におすすめの採用管理システム(ATS)3選
最後に、ホテル業界におすすめの採用管理システム(ATS)を3つご紹介します。
アットカンパニ―
アットカンパニーは、自社採用ホームページや求人の作成、応募者管理までを一括して行うことができる採用管理システム(ATS)です。専任スタッフのサポートが受けられるため、求人の知識がなくても効果的な採用ホームページや求人作成ができる、中小企業向けのサービスとなっています。作成した求人は、Indeed・Googleしごと検索など6つの求人検索サイトへ自動転載され、多くの求職者へ簡単にリーチできることも大きな特徴です。
ホテル業界への導入実績も多い採用管理システム(ATS)で、自社独自の採用手法を確立しながら、採用力強化に繋げることができるサービスとなっています。ホテル業界専門の求人サービスでは表現しづらい自社の特徴や雰囲気を伝えることで、採用率や定着率の向上を狙うことも可能です。採用力と定着率の向上を実現したい組織に最適な、採用管理システム(ATS)といえるでしょう。
採用管理システムsonar ATS
採用管理システムsonar ATSは、新卒や中途の求人掲載〜応募者管理までを一元管理できるサービスです。たとえば、24年卒・内定者、25年卒・本選考、26年卒インターンなどの複数年代の応募者管理も可能で、採用データをフロー図で表す採用データの見える化ができる点も大きな特徴となっています。
近年では、東武ホテルグループが導入するなど、ホテル業界でも利用されている採用管理システム(ATS)のひとつです。IndeedやWantedlyなど求人サービスとの連携もできるため、これまでの応募者情報と一括して、分析や管理をすることもできます。応募者の分析や管理に力を入れたいホテルに、とくにおすすめできるサービスでしょう。
i-web
i-webは、累計2,100社以上もの幅広い業界での導入実績を誇る、認知度の高い採用管理システム(ATS)です。採用ページの作成から応募者管理までを同システム上で行え、採用業務の効率化を図ることができます。ホテル業界への導入実績も多数あり、幅広い媒体や導線からの応募者をまとめて管理したい場合などに、おすすめの採用管理システム(ATS)です。
最大の特徴は、リクナビやキャリタス就活などの大手媒体との連携ができる点にあります。また、TG-WEB・SPI3などの適性検査とも連携しており、受検結果を応募者管理画面に反映することも可能です。大手求人サービスをすでに利用中の場合は、比較的利用しやすい採用管理システム(ATS)だといえます。ホテルの企画・運営を任せる人材採用を必要とする組織に、とくにおすすめできる採用管理システム(ATS)です。
まとめ:定着率と採用力の向上は、採用管理システム(ATS)で
今回は、ホテル業界における離職しない仕組みづくりの方法と、業界に適したおすすめの採用管理システム(ATS)を3つご紹介しました。インバウンドの増加により、ホテル業界にとって定着率・採用力の向上は急務です。まずはできることから、早めに取り組むことをおすすめします。
定着率・採用力の向上をまとめて実現できるのが、記事内でもご紹介した採用管理システム(ATS)、アットカンパニーです。ホテル内のさまざまな職種に対応していますので、サポートを受けながら安心して利用することができます。今後の採用活動の強化に向けて、ぜひ一度お試しください。サービス内容については下記ボタンより資料をご覧ください。