採用動画を活用する企業が、今少しづつ増え始めています。YouTubeやTikTokで目にすることも多くなった採用動画は、応募率UPなどさまざまな効果が期待できる新しい採用手法のひとつです。
今回は、採用動画を作ることで得られる5つの効果のほか、作り方や効果的な公開方法などを解説します。自社の採用力向上に役立つ内容ですので、ぜひご参考にしてください。
採用動画で得られる5つの効果
まずは採用動画の活用を通して得られる、5つの効果について確認しておきましょう。
【効果1】伝えられる情報が増え、ミスマッチが減る
組織や人の雰囲気がしっかりと伝わる動画を掲載できると、採用のミスマッチを大きく減らす効果があります。言い換えれば、求める人材の採用確率を上げることができます。テキストだけでは伝えきれない社内の雰囲気やスタッフの人柄など、よりリアルな情報を伝えることができるため、自社に合った入社意欲の高い応募者層を取り込むことが期待できます。
【効果2】応募率が約34%UPする
採用動画を活用することで、文章だけの募集よりも応募率が上がる効果があるといわれています。これは、アメリカの求人サービス「CareerBuilder」による、採用動画を活用した場合と、しない場合の双方を比較した調査結果によるものです。採用動画を活用した方の応募率は約34%もUPしており、文章+動画での訴求が非常に効果的であることがわかります。
【効果3】文章のみに比べて、約2倍記憶に残る
文章+採用動画の求人情報は、文章だけのものに比べて約2倍印象に残りやすいという研究結果があります。アメリカの国立訓練所が行った「ラーニングピラミッド」という研究によると、読書での学習に比べて、目と耳を使った学習の方が2倍記憶に残ることが実証されています。採用動画によって多くの情報を提供し、その内容が記憶に残ることによって、応募数を上げる効果が期待できるでしょう。
【効果4】検索流入が増加し、SEO効果が期待できる
動画をWEBページに設置したことで検索流入が57%UPしたという検証結果もあるようです。これは動画サービスを提供する「ブライトコープ社」が動画掲載前のページと設置後のページとを比較した結果です。採用動画を設置することでSEO効果、さらには応募数UPに繋がる可能性が高まります。
【効果5】企業や求人の認知度を上げる効果が期待できる
採用動画を活用することで、企業そのものの認知度を上げる効果が期待できます。SNSを通した採用動画は、シェアされることも少なくありません。沢山の方にシェアされる「バズる」という状態になれば、求人情報とともに企業の認知度を上げることができるでしょう。
採用動画の作り方にはふたつの選択肢がある
採用動画の制作方法には、大きくふたつの作り方があります。
作り方は内製・外注の2択
採用動画の作り方は、内製もしくは社外へ外注のふたつの方法があります。費用や納期はもちろん、それぞれのメリット・デメリットがあるので、まずは下記の表を参考に特徴を把握しておきましょう。
費用(相場)の比較 | ||
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内製 | ・機材等の費用 ・人件費 |
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外注 | ・テンプレート制作:約10~30万円 ・オリジナル制作:約30~80万円 ・企画からフルオーダーの制作:約80~150万円 |
納期(目安)の比較 | |
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内製 | 当日から柔軟に対応できる |
外注 | 最初は納品までに数か月かかる(依頼内容によって異なる) |
メリットの比較 | |
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内製 | ・制作費用を抑えられる ・ノウハウが蓄積できる ・修正や企画がしやすい ・リアルな現場が撮影できる |
外注 | ・社内での業務負担を軽減 ・動画の質を保てる ・結果や効果にコミットした外注も可能 |
デメリットの比較 | |
---|---|
内製 | ・新たな業務が発生 ・スキル・ノウハウの不足により動画の質が低いことも ・結果に繋がりにくい場合もある |
外注 | ・都度費用が発生 ・社内にノウハウが蓄積しにくい ・外注先との相性が合わない場合もある |
採用方針にあった制作方法を
内製と外注のそれぞれの特徴を把握したうえで、自社の採用方針と照らし合わせて最適な方法を選択することが大切です。選定のポイントは、今後の採用スケジュールとノウハウの蓄積です。採用予定期間までが短い場合は、納期を考慮すれば内製しなくては間に合いません。一方で採用までに余裕があれば、外注を検討する方法もあるでしょう。
また、採用動画制作のノウハウを社内で蓄積していくのか、外注にすべて任せてしまうのかも考えておく必要があります。自社ホームページや採用管理システム(ATS)など、採用動画の活用方法も視野に入れたうえで、どのように制作するかを検討することが良策です。
外注は依頼先の選定がポイント
採用動画制作を外注する場合は、任せる業者の選定も重要です。業務効率化のためといって外注先に丸投げすると、内製するより質が低かったり、思ったような効果が得られない場合もあります。依頼先を探す際は、実績や提案力、費用や事業者との相性などから総合的に判断し、自社に最適な外注先を選定することに注力しましょう。
採用動画の作り方について
ここからは、採用動画を内製する場合の作り方を解説します。準備する必要があるモノや、制作の流れも合わせて事前に把握しておくと、スムーズな制作が可能です。
準備が必要なもの
採用動画を作るに当たって必要になるものは、「撮影機器」「編集ツール」「出演する人」の3つです。「撮影機器」はカメラやマイク、三脚などが一般的ですが、スマホでも充分に撮影できます。制作する採用動画の方針に合った撮影機器を、事前に準備しておきましょう。
また「編集ツール」については、基本的な機能が搭載されたシンプルなものから使い始めることがおすすめです。機能が多すぎると作業が遅くなったり、スペックの高いPCが必要になったりします。無料の編集ツールや、スマホ用の編集アプリも多くリリースされているため、簡単なものから使い始めると社内共有にも便利です。
採用動画制作の流れ
自社で採用動画を制作する場合は、以下のような流れで進めます。
①採用スケジュールを確認
いつまでに何人採用したいのか、入社希望時期と採用予定人数をもとにスケジュールを決定します。動画制作や公開までの期間を逆算し、工程ごとの計画を立てておくと進めやすいです。
②求める人材のペルソナを設定
採用したい人材のペルソナを決定します。年齢・性別・求めるスキル、必要な経験やパーソナリティなど、できるだけ具体的に設定しておくことが、動画制作におけるポイントになります。
③ペルソナに合わせた情報のリサーチ
設定したペルソナが興味をもつであろう分野や、知りたい情報などをリサーチします。ファッションや趣味、トレンドなど、仕事に関係のない分野の情報も集めておきましょう。
④企画の作成
設定したペルソナが求める情報を踏まえたうえで、採用動画の企画を作成します。社員インタビューや業務風景のリポート、ダンス動画やドラマ風の動画まで、さまざまな企画での撮影が可能です。SNSで他社の採用動画や人気の企画を事前に視聴し、自社制作時の参考にするのもおすすめです。
⑤シナリオの作成
企画が決定したら、撮影時に使用する台本を作成します。自然な雰囲気を撮影したい場合などは台本は不要ですが、大まかなシナリオを作っておくと内容がまとまりやすくなります。企画に合わせてシナリオを準備しておくことで、メッセージが伝わりやすくなる効果も期待できます。
⑥撮影
撮影の際は、リハーサルや予備の撮影を行うことがおすすめです。リハーサルをしておけば段取りがわかりやすく、機材トラブルなどを防ぐこともできます。また、予備の撮影をしておくことで、録画できていなかった際も取り直しの必要がありません。トラブルを未然に防ぎながら、社内の雰囲気が伝わる動画に仕上げていきましょう。
⑦編集
設定したペルソナにメッセージが届きやすいよう、編集します。移動中にミュートでも観られるよう字幕を入れたり、はたまた、音楽や効果音を入れてテンポよく進行させることも重要です。ペルソナの心情や環境を想像しながら、動画を作り上げることがポイントになります。
⑧採用動画の公開
完成した採用動画を公開して、作業は完了となります。公開する場所や時期、内容によって再生数や効果が変動するのが一般的なので、公開後のデータ管理は非常に大切です。公開した日時や企画内容などの情報を書き留め、再生数や対策を社内に蓄積しておけば採用精度を少しづつ高めることができるでしょう。
採用動画に盛り込みたい内容
採用動画制作の際には、リアルな現場の雰囲気や求職者へのメッセージを盛り込むと効果的です。仕事風景や勤務中のインタビューなどを撮影すれば、求職者へ安心感を与えることができます。
また、入社後に直接関わる可能性がある人物からのメッセージは、求職者の入社意欲を高め、入社後のギャップを減らす効果が得られるでしょう。そのほか、人物や社内の雰囲気をより伝えるために、ダンスなどトレンドを取り入れた採用動画にするのも選択肢のひとつです。まずは興味を惹く観てもらえる動画を目指して、企画や内容を工夫することが重要です。
採用動画の効果的な公開方法
採用動画を効果的に活用できる、公開方法についてご紹介します。
TikTok
TikTokは最も簡単に利用できる、動画サービスのひとつです。多くのユーザーはスマホアプリで視聴しており、15秒から3分の比較的短い動画を連続して視聴します。短い動画だからこそシェアをしやすい特徴があるため、インパクトのある動画はトレンドに上ることも少なくありません。ユーザーの中心は、10代女性と20代男性と比較的若い世代が利用しているため、新卒・若手の採用に効果的なプラットフォームだといえます。
YouTube
世界的に認知度の高い、YouTubeでの公開もおすすめです。NTTドコモの調査によると、スマホ所有者の96.5%がYouTubeのサービスを認知しており、10代〜40代では70%を越える利用率を誇っています。動画数が多いため視聴数を担保することは難しい媒体であるものの、幅広いユーザー層へリーチできることは非常に魅力的です。
YouTubeを活用する際は、動画タイトルやサムネイル(表紙画像)・ハッシュタグの選定まで、視聴回数UPのための工夫を行うことが必要になります。YouTubeへアップロードしたうえで、ほかの媒体へ埋め込んだり転載して利用することも、視聴機会を増やす方法のひとつです。
求人ページ
求人ページにて公開することも、非常に効果的な方法です。仕事内容や会社の雰囲気を動画で訴求することで、前述のとおり、求職者の印象に残りやすくなる効果があります。各社求人サービスの規定を確認のうえ、動画公開できそうであれば活用することをおすすめします。
企業の採用ホームページ
企業の採用ホームページでの公開もおすすめです。採用ホームページのトップページに動画があることで求職者の興味を惹き、組織の雰囲気やメッセージを訴求することができます。企業や仕事への理解を深めることができるため、全体の応募率を上げる効果も期待できます。
弊社が提供する採用管理システム(ATS)アットカンパニーなら、採用ホームページに動画を掲載することができます。YouTubeへアップロードした動画を設置する埋め込み形式で、企業のPRや職場の雰囲気を伝えるツールとしてお役立ていただけます。
各ページへの埋め込み方法は下記にて解説しておりますのでご参照ください。
まとめ
本記事では、採用動画を作ることで得られる5つの効果のほか、作り方や効果的な公開方法などを解説しました。効果的な採用動画を作るポイントは、他社採用動画を観て学ぶことです。動画制作になれてきたら、差別化を図る内容にもチャレンジしてみるとよいでしょう。
採用動画の作成と同時に求人を行う際は、記事内でもご紹介した採用管理システム(ATS)アットカンパニーの活用がおすすめです。YouTubeにアップロードした動画を、採用ホームページに設置することができるため、会社の雰囲気がより求職者に伝わりやすくなります。
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なお、応募したくなる求人の書き方についてはこちらのコラムでご紹介しています。ぜひ、ご参考にしてください。